理事長メッセージ

第48代理事長 田中克幸

第48代理事長
田中 克幸

はじめに

 今、目の前に何もない荒野が広がっていたら、人は一人で生きていけるのでしょうか。その荒野を緑が溢れ豊かな地域に変えるとしたら、人々が行き交う活気溢れる街に変えるとしたら、一人の力で出来るのでしょうか。私たちが住み暮らす「まち」や「ひと」の未来を創ることは、荒野を変えていくことと同じなのではないでしょうか。そして、何もない荒野を変えるということは、様々な可能性に満ち溢れているはずです。しかし、時代の変化によって、その可能性も変わっていきます。人が人を想い、まちを想い、心を一つに力を合わせ、時代の変化に対応し、荒野を変えていく、つまり私たちの住み暮らす地域で、夢に挑み未来を切り拓くこと、それが地域の次代を担う私たち青年の役割です。
 青年会議所は学び舎であり、様々な機会が与えられますが、その源にあるのは「ひと」です。「明るい豊かな社会の実現」という理念のもと、地域のため、ひとのために、日々活動をしている団体ですが、活動しているメンバーは自らの仕事や社会的な地位は関係なく、「修練・奉仕・友情」の三信条のもとに、切磋琢磨しながら事業を構築し、「英知と勇気と情熱」を持って活動しております。地域を明るい豊かな社会にするためには、まずは我々が、青年会議所の与えてくれる様々な機会を掴み、自己変革という成長を成し遂げなければなりません。自らが変わらなければ仲間も変わらない、まして地域を変えることは出来ません。青年会議所は「まちづくり」を通して「ひとづくり」をすることが出来る団体であり、青年会議所運動を通して成長し、次世代を担う地域のリーダーとなる人財へと自己変革を成し遂げることこそが、青年会議所の根底にあるものであります。
 武蔵野青年会議所は、脈々と歴史を繋いでこられた先輩諸兄からバトンを受け継ぎ、本年で47年目となります。現在の武蔵野青年会議所は、入会歴の長いメンバーが卒業し、入会間もないメンバーが多くなっており、メンバー構成の急激な変化に直面しています。この急激なメンバー構成の変化により、青年会議所が学び舎であること、その源が共に活動する「ひと」であること、様々な機会を自ら掴み仲間とともに自己成長をしていくこと、などの原体験をする前に、様々な修練に直面しています。このような今だからこそ、人が人を想い、まちを想い、武蔵野青年会議所を想い、仲間とともに「心を一つに」することが出来れば、どんな修練でも乗り越えていける、そう確信しております。
 私自身、2010年に入会して以降、青年会議所に様々な機会を与えていただきました。大きな修練に直面し続け、時には挫けそうになり、決して順風満帆ではありませんでした。しかし、修練を乗り越えたあとに自分自身が成長していることに気が付きました。そして、必ず隣には切磋琢磨し、心を一つに活動してきた仲間がいました。武蔵野市というまちを「明るい豊かな社会」にしていくためには、私たちが心を一つにして、地域のため、ひとのために、日々変化していく課題に立ち向かい、未来を創っていかなければなりません。

魅力溢れ、誰もが住み続けられるまちを目指して

住みたいまちから住み続けたいまちへ

 武蔵野市はJR中央線の三駅を有しており、商業地域、住宅地域、自然、文化が融合した多機能なまちです。活発な商業地域を中心とした吉祥寺駅のある「吉祥寺地域」、 文化・行政施設やオフィス機能等の周辺に住宅地が広がる三鷹駅北口の「中央地域」、自然豊かな住環境のある武蔵境駅のある「武蔵境地域」と、各駅を中心に個性ある3つの地域で形成されています。吉祥寺地域は住みたいまちランキングで常に上位に名を連ねており、武蔵野市は成熟都市と評価されております。しかし、成熟、つまり充分に成長したまちを、より魅力溢れるまちにするためには何をするべきなのでしょうか。成熟した都市である武蔵野市が住みたいまちから、誰もが住み続けられるまちへとさらに成長していくために、地域の課題を調査・研究し、持続可能な解決策を提示出来るような事業を行います。

オリンピック・パラリンピックを契機とした魅力発信

 本年はラグビーワールドカップ日本開催、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックを翌年に控え、世界から東京へ、人々の注目が集まってきております。特にオリンピック・パラリンピックは、スポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあり、スポーツを通じた感動体験のみならず、魅力的なまちづくりへの取り組みが求められています。武蔵野市には数々の祭典、音楽やアニメや地域活性に向けた取り組みなどの文化、そして武蔵野市役所や武蔵野市民文化会館、武蔵野総合体育館などの行政、大学などの文教施設、医療施設、武蔵野プレイスなどの公共施設、自然豊かな住宅地域など、様々な魅力に溢れています。2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、武蔵野市の様々な魅力を国内外へ発信出来るまたとない機会であります。私たち武蔵野青年会議所が今まで繋がりを持たせていただいた行政・地域諸団体と心を一つにして、武蔵野市というまちのために、そこに住み暮らす人のために、2020年以降の魅力溢れるまちづくりに向けた事業を行います。

災害・危機に強いまちづくり

 近年の日本は未曾有の災害による被害が後を絶ちません。2011年の東日本大震災、30年以内の発生確率が1%未満であった熊本地震、昨年発生した平成30年北海道胆振東部地震など、大規模地震が近い将来に発生する切迫性が指摘されています。中でも関東から九州に大きな被害が及ぶとされる南海トラフ地震と、首都中枢機能への影響が懸念される首都直下地震は今後30年以内に発生する確率が70%と予想されております。また、2015年の茨城県常総市の鬼怒川の氾濫、2018年の広島県を中心とした平成30年7月豪雨など、異常気象による豪雨災害が毎年各地で発生しております。災害は万が一ではなく、いつでも起こりうる可能性があるものと認識をし、地域の災害対策、防災・減災に向けた取り組み、家庭や個人での災害への備えなど、有事の際だけではなく、平時からの準備が必要不可欠です。
 武蔵野市の市政アンケートにおいて、どの年齢層においても「災害・危機に強いまちづくり」に対する関心が高く、重点的に進めて欲しい施策として地域市民の関心が高い状況です。武蔵野市は総合防災訓練・水防訓練・防災ボランティア訓練・帰宅困難者対策訓練など災害に備えて毎年定期的な訓練を実施しています。
 私たち武蔵野青年会議所は2017年に社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会様と災害時の包括提携を結ばせていただきました。私たち青年会議所は災害等が発生した際には地域市民の先頭に立って行動していく必要があり、ボランティアセンターを立ち上げる社会福祉法人武蔵野市民社会福祉協議会様との繋がりをより深め、有事の際に、人が人を想い、心を一つにして活動できる、災害や危機に対する体制を強化し、この武蔵野市を災害や危機に強いまちにしていくために、有事だけでなく平時から取り組める準備が行える事業を行います。

健やかな子どもの心の成長のために

 現在の日本は急激な人口減少と高齢化が進み、2010年に全人口に対して65歳以上の人口が21%を超え「超高齢化社会」へと突入しました。地域の未来は子どもの未来であり、地域の未来を担う子どもは地域の宝です。子どもは生まれてくる環境を選ぶことは出来ません。子どもは家庭の中だけで育つわけではなく、学校や地域の様々な人たちに見守られて成長していきます。未来の日本を支え、この武蔵野市の将来を担っていく子どもたちが健やかに成長していくために、子どもたちの成長を地域全体で支えていく必要があります。
 新しいメディア技術の発達、家族・地域社会等の変化を背景とした体験活動の減少、利己的な風潮等の社会風潮の変化、18歳選挙権にともなう主権者教育の推進、子どもたちが将来大人となる際の手本となるべき今の大人が手本となり得ていないことなど、現在の子どもたちを取り巻く環境は変化し続けており、昔の子どもたちに比べて一層、心の成長を支える基盤となる環境が悪化していると言われております。その結果、他者を思いやる心や迷惑をかけないという気持ち、人間関係を形成する力の低下や、自尊感情が低く将来への夢を描けないなどの傾向が指摘されており、古き良き日本人本来の精神である、礼儀礼節を大切にすること、相手を思いやることなどの道徳性を育み、子どもの心の成長を支えることが必要です。
 まずは、本年もわんぱく相撲武蔵野場所を開催し、子どもたちに礼節や相手を思いやる精神を学んでいただきます。子どもたちの健やかな成長を地域で支えていくために、本年度も地域の方々と協力し、大人も子どもたちを見守る立場として成長を図りながら、子どもの健全育成を図ります。そして、子どもたちの心の成長を支える事業を行います。武蔵野青年会議所は2017年に東京武蔵野シティフットボールクラブを運営する、特定非営利活動法人武蔵野スポーツクラブ様と包括提携を結ばせていただきました。特定非営利活動法人武蔵野スポーツクラブ様との繋がりを深め、また、今まで繋がりを持たせていただいた地域諸団体と力を合わせ、地域と心を一つにして、健やかな子どもの心の成長を支えてまいります。

武蔵野青年会議所の活動意義を高めるために

武蔵野青年会議所の魅力の発信

 青年会議所は事業という形で運動発信を行っておりますが、私たちが地域に認知されているから事業に参加者が集まってきているわけではなく、参加者のアンケート結果から、チラシを見たから、知人に誘われたから等の回答が多く、未だ地域に認知されているとは言えない現実があります。
私たちの運動は認知されなければ地域のための活動とは言えません。認知されるためには、まず私たちメンバー自身が武蔵野青年会議所の魅力を伝えられなければなりません。どのような団体に所属し、どのような運動発信をし、どのようなメンバーで活動し、どのような取り組みをしているのかを知り、武蔵野青年会議所の魅力を一人ひとりが伝えられるようになる必要があります。そして、まちづくりとして事業を開催する際の発信だけでなく、武蔵野青年会議所のメンバーが所属する他団体での活動や、これまで武蔵野青年会議所と繋がりを持っていただいた行政・地域諸団体の取り組みについても発信し、武蔵野青年会議所のファンを増やすことと同時に、武蔵野市というまちのファンを増やすことが出来るような広報を行うことによって、地域により必要とされる団体となり、私たちの運動を発展させていかなければなりません。本年は様々な角度から武蔵野青年会議所の魅力を発信出来るような広報に取り組み、メンバー一人ひとりが武蔵野青年会議所に心を寄せ、誰もが魅力を発信出来るような仕組みづくりを行います。

SDGsの推進

 青年会議所は地域の諸問題を調査、研究し、持続可能な解決策を提示する団体です。世界に目を向けると、2015年9月に国連サミットにおいて、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択され、「地球上の誰一人として取り残さない」という考えに基づいた17のゴールが定められました。現在の日本においても、民間企業、地域自治体、学校などにおいてもSDGsの取り組みが始まっています。青年会議所の運動は持続可能な解決策を提示するものであり、このSDGsが定めた17のゴールと関連が深く、地域や企業に先駆けてより積極的にSDGsを推進することで、武蔵野青年会議所の活動意義を高めることに繋がると考えております。本年は各事業においてSDGsと紐付けを行い、活動意義を明確にしながら運動を展開してまいります。

心のある組織に向かって

新たな仲間とともに

 青年会議所は40歳までの限られた世代しか在籍できない団体の特性から、全国の青年会議所で会員減少が進んでいます。武蔵野青年会議所も例外ではなく、会員減少に対する危機感を持ち、会員拡大の重要性と意義を深く認識し、メンバーが心を一つにして、他人事ではなく本人事と捉えて、全員で新たな仲間を迎え入れなければなりません。
  我々の運動をより大きく発信するには、会員数の増加と維持が必要不可欠であり、常に新しい仲間を求めていかなくてはなりません。数は力であり、青年会議所運動の推進力、発信力、そして社会に対する影響力を強くするためには、多くのメンバーが必要です。また、十人十色というように様々な社会的地位のメンバーが集まることで多様性が増し、まちづくりにより寄与できる意見やアイデアが集まることで、青年会議所運動をより発展することに繋がります。
  近年、入会間もないメンバーが多く、会員拡大をしてもすぐに40歳を迎え卒業していくメンバーが多くなっています。メンバー構成の急激な変化に直面している今、新たな仲間を迎え入れ、メンバー一人ひとりが人を想い、武蔵野青年会議所を想えるような、組織にこそ心のある温かさが必要だと考えます。
 本年は新しい仲間を増やすために、人との繋がりからの会員拡大と、様々な機会を提供する中での会員拡大の両輪で進めていきます。まずは拡大戦略会議を開催し、各委員会がしっかりと会員拡大の意義を理解し、メンバー全員で新しい仲間を増やす、という意識のもとに活動していきます。そして、各事業や各委員会に誘うだけではなく、入会候補者に様々な機会を与え、メンバーや候補者同士が繋がりを持てるような機会を提供していくことで、会員拡大に繋げてまいります。
 会員拡大を行うだけではなく、会員数の維持に努めなければなりません。また数だけでなく、メンバー一人ひとりが意欲的に青年会議所運動に参加していくためには、心のある温かさを持った組織とならなければなりません。入会間もないメンバーは青年会議所運動の意義を知らず、自ら意欲的に参加するというよりは最初はメンバーから誘われて参加することが大半です。一日でも早く意欲的に青年会議所運動に参加していただくためには、どのような仲間と活動しているのか、志を同じく活動する仲間と心を一つにする時間が必要です。また、青年会議所運動を支えていただいている家族の支えも必要不可欠です。このような人が人を想い、仲間と心を一つにする機会を作り、青年会議所運動に意欲的に参加するメンバーを増やしていきます。

心のあるメンバーの成長

 青年会議所は学び舎であり、品格ある青年経済人が青年会議所のルールの中で事業構築し、運動発信をしていくことで自身の成長に繋げることが出来ます。青年会議所の三信条である「修練・奉仕・友情」を入会したメンバーが出来る限り早い時期に原体験をしていただけるような、委員会運営と基礎研修、そして様々な機会を提供してまいります。地域を明るい豊かな社会にするための社会への「奉仕」には多くの「修練」が待ち受けています。「修練」を乗り越えるには少なからず負荷がかかります。負荷がかかった時に乗り越えて成長という機会を掴むためには、ともに活動する仲間の存在が必要不可欠です。仲間と一つの目的に向かって心を一つに活動し、社会への「奉仕」を通して「修練」を乗り越え、「友情」を育むことがメンバーの成長に繋がり、心のある温かさが組織に広がり、人が人を想い、仲間とともに成長するJAYCEEへの一歩となると確信しております。

自ら機会を掴む

 青年会議所は「個人の機会」「地域社会の機会」「国際性の機会」「ビジネスの機会」という4つの機会を与えてくれます。また、青年会議所には一歩外に踏み出す「出向」というものがあります。青年会議所運動は武蔵野青年会議所だけが行っているわけではなく、東京、関東、日本、世界と一歩外に踏み出すだけで、まったく違う景色を見ることが出来ます。一歩外に踏み出すと武蔵野青年会議所だけでは体験することが出来ないスケールの大きな運動との出会いや、同じ青年会議所運動をしているメンバーであるのに、想像を超える力を持った人との出会いがあります。私自身、東京ブロック協議会、関東地区協議会の役員の出向を経験したことで自分自身の成長に繋がる多くの経験をしてまいりました。このような原体験や出会いといった機会を掴むこともメンバーの成長には不可欠です。しかし、青年会議所は「機会は平等に与えられるが結果は不平等である」と言われています。「出向」することで自ら機会を掴むことはもちろんのこと、様々なところで開催される諸大会、諸事業に対して、メンバーに積極的に参加していただくことで、成長するきっかけを自ら掴むことが出来るような機会を提供していきます。

最善の組織形態を目指して

 社会や地域はその時代の変化によって様々な課題があり、青年会議所は常にその時代を捉えた問題提起をし、持続可能な解決策を発信する団体でなければなりません。ここ数年間、武蔵野青年会議所は公益社団法人としての青年会議所を検証し、青年会議所が運動を展開するのに最善の組織形態のあり方を見つめ直してきました。これまでの検証を基に、私たちの運動がより発展していくため、そして、現在の武蔵野青年会議所にとって最善の組織形態の方向性として、公益社団法人を継続するのか、一般社団法人へ移行するのかを検討し、2020年以降に繋いで参ります。

結びに

 武蔵野青年会議所は昨年、先輩諸兄が懸命に築かれてきた45年の歴史と地域との繋がりを胸に刻み50周年、100周年に向けて最初の一歩を踏み出しました。その一歩は確実にメンバーの成長に繋がった1年となりました。自ら一歩踏み出し、個人としての成長へと繋がった今、まずは記念すべき50周年を魅力溢れ、活動意欲溢れる多くの仲間とともに迎えること、そして、武蔵野市というまちの魅力を発信し、地域の課題に対して持続可能な解決策を提示する大きな運動を発信するためには、近年のメンバー構成の変化を乗り越え、メンバーが心を一つに、武蔵野青年会議所を想い、人を想い、武蔵野市というまち・ひとのために活動することで、仲間とともに自己成長していかなければなりません。仲間と心を一つに、より地域に必要とされる魅力ある団体となるために全力で前進して参ります。

2019年度 スローガン

一 心
~心ひとつに、まちのために、ひとのために~

2019年度 基本理念
人が人を想い、仲間とともに成長するJAYCEEへ

2019年度 基本方針

  • 地域との繋がりを活かした地域社会の発展に寄与する運動の実践
  • 子どもたちの心の成長を支える青少年育成
  • 武蔵野青年会議所の活動意義を高める運動発信
  • 心のある組織に向けた会員の研修と拡大・維持
  • 仲間とともに成長の機会を掴む組織運営